1年で変わってしまった

<ロッテ4−7オリックス>◇4月23日◇千葉マリン
8戦観戦:3勝5敗
「打てないんだったら、せめて足引っ張るなよ」と言いたくなった、初回のサード・フランコとセンター波留の守備。ロッテ先発の清水直は、あまりの運のなさに嘆いていたに違いない。いきなり先頭の村松に、肩直撃の打球を食らった上、二人のエラーが重なって1回3失点。2回には9番平野にライトスタンドへ運ばれるなど2失点。3回には李承■(■は火へんに華)が、ムーアから右ひじにデットボールで途中退場。その後、初芝、ベニーの本塁打で1点差まで詰め寄るが、8回に2点を追加されたのが痛かった。
これでオリックスには開幕から4連敗。昨年21勝のお得意様が一転。横浜−阪神でも同じような現象が起こっているのも可笑しなものだ。

♪福浦ヒット

<ロッテ4×−3近鉄>◇4月20日◇千葉マリン
7戦観戦:3勝4敗
福浦が5打数5安打と気をはいたこの試合。延長10回、初芝のサヨナラ二塁打でケリをつけた。近鉄の守護神?カラスコは早くも4敗目。
ロッテ先発の小宮山は、勝ち運に恵まれないものの、5・6回まで試合を作れる投球術はさびついていない。

東京ドームに連れてって

<ロッテ1−2日ハム>◇4月16日◇東京ドーム
6戦観戦:2勝4敗
今年から札幌へ移転した日ハム。それでも、旧本拠地・東京ドームでは、ロッテ、近鉄オリックスダイエーの4チームとの対戦を3試合ずつ行う日程が組まれた。これは東京のファンには嬉しい配慮だ。どうせなら、この3連戦全試合見に行きたかったものだが、そうもいかない。特に17日は、約3年ぶりの1軍マウンドとなるジョニー黒木が先発だ。うーん、見たかった。
東京ドームでの試合がレアとなり、この試合の観客数は、発表で何と26000人!去年までなら考えられなかった数字だ。また、2階席を使用せず、1階に客を集めたため、満員を錯覚させた。
とはいえ、こういった試合にもわざわざ修学旅行生が来ているのには、少々苦笑いしてしまった。
日ハムの先発は新人押本。ファーム、1軍2試合での好投が認められての初先発。李から直球で三振を奪うなど、5回を4安打自責0で初勝利。よく巨人は「初者に弱い」といわれるが、別に巨人に限ったことではないと思うのだが。
これでロッテは9連敗。チーム打率は.219!規定打席到達者の中に3割は一人もいない。普通、開幕当初は、1チームに1人や2人誰かしら好調な選手がいるものだが(広島の赤ゴジラとか)、誰もいないのは異常だ。これには、ボビーも頭が痛いようで、2試合続けて同じ打順を組んでいない状況だ。(とはいえ、メッツ監督時代、4番に新庄を起用するぐらい打線をいじるのが好きな監督ではある)救世主探しに必死で、この日の8番於保をはじめ、曽我部、浜名、ユウゴーなども何度か起用されている。
新外国人の補強は考えていないようなので、6月の期限までに何かしらトレードがあるはずだ。巨人のファームには、確実に良い素材が転がっているぞ。(堀田、吉川、中浜、山田・・・)

強烈な恩返し

<ロッテ0−4日ハム>◇4月12日◇千葉マリン
5戦観戦:2勝3敗
週末の神戸遠征で3連敗を喫し、さらに相手の先発が、前の試合で好調オリックス打線を封じ込めた張と分かると、試合前の時点で「どうせ、負けてしまうんだろうなぁ」という予感が見事に的中。4安打完封負けだ。
西武の3番ホセ・フェルナンデスには、小林宏が2発浴びる失態。昨年、ロッテの4番として3割30本100打点をクリアした主砲を、ボビーの判断で解雇したわけだが、3試合で3発と、強烈な恩返しを食らっている。「あまりに抑え込まれて、西武も解雇」になるよりは活躍してもらった方が嬉しいといえば嬉しいが・・・。
ところで、このホセに対してロッテサポはどのような反応を見せるのか、今年の興味の1つであった。例えば、03年。ヤンキースへ移籍した松井の変わりに、ヤクルトの主砲ペタジーニが14・5億円?で巨人に移籍し、打席の度にヤクルトファンから猛烈なブーイングを浴び続けた。まぁ、この例は極端なものだが、「西武でもガンバレよ」的な意味合いで、ロッテサポも多少のブーイングをするものだと思っていたが、意外なことに何もない。ズレータだのオーティズだのと同じ扱いなのである。さすが、「日本一」ともいわれるロッテサポだなと感心したものだが、逆に完全無視もホセに対してかわいそうなのでは? と思ってしまったのは自分だけ?

はじまりはいつも打線

<ロッテ1−6日ハム>◇4月7日◇千葉マリン
4戦観戦:2勝2敗
先発金村に4回まで無安打に抑えられるなど、散発4安打で今季初連敗。首位はキープしているものの、チーム打率.227はリーグ最下位。一方で防御率は2.93でリーグトップを誇り、相変わらずの投高打低。

何かをやる男

<ロッテ1−4日ハム>◇4月6日◇千葉マリン
3戦観戦:2勝1敗
「SHINJOは何かやってくれる」。そう思わずにはいられない試合だった。2回裏1死二塁、6番井上がセンターへ大飛球を放った。ライト応援席から見ていた自分には、当然センターオーバーの打球で、適時二塁打だと喜んだ。しかし何を思ったか、センター新庄は振り返り、捕球体勢をとるのだ。
そして次の瞬間、二塁ランナーのベニーがようやく三塁に到達する姿が。
まんまとハメられた! 周囲のロッテサポも「ちくしょー、新庄のヤツ!」と、悔しがりながらも拍手を送っていた。あまりに上手くいきすぎたプレーに、当の新庄も笑ってしまったとか。
次は5回表2死三塁。粘りのピッチングで無失点に抑えていた小宮山から、新庄が放った打球は、ショート前への小飛球。これが内野安打となり同点となった。遊撃前への適時テキサスヒットとは・・・。
このSHINJOの2つのプレーが効いたのか、この敗戦からロッテは10連敗することになった。

韓国のスーパースター

李承菀の安打に喜ぶ韓国からの応援団

<ロッテ5−4ダイエー>◇4月2日◇千葉マリン
2戦観戦:2勝
1選手の加入によって、千葉マリンの風景が変わった。誰あろう李承菀である。
千葉マリンの今季開幕戦であるこの試合、自分は今年から新設された「ボビーシート」(一塁ベンチにいる監督の姿を見ることができる)なる席で見ることにした。たまたま最前列ということもあり、今までにない角度から野球を見られたことは確かだが、双眼鏡でも使わない限り、監督の姿は分からない。

到着すると、数列挟んだ左隣に30人ぐらいの団体客が陣取っているのに気付いた。お揃いの白のトレーナーで、明らかに他の客とのテンションが違う。韓国からはるばるやって来た、李承菀の応援団である。

DHのため李の出番は打撃のみ。打順が回ってくると、一様に立ち上がり、リーダーの笛とコールによって応援が始まる。北朝鮮の美女軍団風のおねえちゃんも2人ばかり。「イ・スンヨ」「ホームラン」「ファイティング」の単語は聞き取ることができた。マリンの3塁側内野席が、こんなに盛り上がっている風景を見たことがない。そもそも、なぜ彼らがこの位置にいるのかが疑問なのだが。

試合はじめの頃は、ダイエーの応援歌にも手拍子をしてしまっていたが、時間の経過によって雰囲気に慣れ始め、李以外のロッテ選手にも拍手をしていた。この試合の李は、4打数1安打。2回の先頭打者として右前安打で出塁。チームの逆転に貢献した。

9年前、野茂英雄ドジャースに入団し、活躍したことによって、自分を含め、多くの日本人がロサンゼルス・ドジャースというチーム、選手を知ることになった。相棒のマイク・ピアザ、初勝利の試合、野茂の隣で笑顔で喜んでいたイシュメール・バルデス、強肩ラウル・モンデシー、「ペドロ」の兄ラモン・マルティネス・・・。これと同じように、彼らにもぜひ、福浦、小坂、清水直、小林雅などを覚えていってもらいたいものである。立川や戸部まで覚えろとまでは言わない。(笑)

ちなみに、ロッテサポが歌う李承菀の応援歌はこんなカンジ。
(トランペット)オイ!(トランペット)オイ!(トランペット)オイ!(トランペット)ナルリョボリョ ナルリョボリョ ナルリョラ イスンヨプ ナルリョボリョ ナルリョボリョ ナルリョラ イスンヨプ(ドンドンドドドン)イスンヨ ホームラン!(ドンドンドドドン)イスンヨ ホームラン!

「ナルリョボリョ」は、「かっとばせ」の意。