ハルが来た!

サポーターに挨拶するロッテナイン

<ロッテ5−3西武>◇3月27日◇西武ドーム
1戦観戦:1勝
自分がプロ野球の開幕戦を見に行くのは、実に17年ぶりのこと。1987年4月10日の巨人vs中日以来である。ちなみにこの試合、巨人先発の西本聖(現日刊スポーツ評論家)がロッテから中日へ移籍した落合博満(現中日監督)を得意のシュートで封じ込み6−0の完封勝ちしている。

さらに余談ながら、今年は「開幕戦」に当たる試合を4試合(ロッテのホーム&アウエー、ヤンキース、レッズ)見に行ったのだが、その中でセレモニーとして最悪だったのは、この西武ドーム。きわめて形ばがりのセレモニーで、挙句の果てに始球式には「21世紀の石原裕次郎」なる人物が出てきた。自分はもちろん、周囲からも「誰だ、あれ?」「さぁ」という会話も聞こえてきたものだった。監督は若いのに、やっていることは古くさいぞ、西武ライオンズ

その点、9年ぶり日本球界復帰のボビーは心得ている。セレモニー終了後、当たり前のように引き揚げていく西武を尻目に、ロッテ選手たちを引き連れ、レフト席のロッテサポーターへ歩み寄り挨拶をするパフォーマンス。試合前からロッテペースになっていた。

この試合で最も気になったのが、ロッテのトップバターを務めた波留敏夫だ。98年の横浜優勝に大貢献も、森監督に好まれず、中日、ロッテ移籍。03年の打率.198の男が、オープン戦で数字を残し、晴れてこの日を迎えたわけだ。プレーボール後、西武松坂の初球ストレートを、見事右前に弾き返した。3番堀の打席で、エンドラン失敗に終わるが、波留の一打が、確実にロッテに波を呼び込んだ。

そして、注目の「松坂vs李」。こういう勝負は、最初が肝心。カウント2−1からの高目のチェンジアップを右翼線二塁打。送球の間に三塁を陥れガッツポーズ。この一打には、隣に座っていた女性2人組が持っていた飲み物を、これまた見事に前列の人に頭からぶっかけてしまっていた。

対松坂の連敗を7で止め、3年ぶりの勝利。開幕戦を「140分のいくつ」という表現をするが、この勝利は間違いなく1勝以上の価値があった。